外壁の膨れ
中村 誠司
塗り替えして少ししたら外壁が膨れてきた・・・。
こんな話をよく耳にします。
先日も、塗装の仲間がこんなことを言っていました。「次の現場だけど、○○ハウスの家でこのサイディングは塗替えると、たまに膨らむことがあるらしいんだよねー。」
「それ蓄熱水蒸気膨れだよ。」
教えてあげました。
とくにここ数年聞くことがあります。
サイディングやALCなどの断熱性が高い外壁の旧塗膜が、塗り替えをした際、日差しの影響を受けやすい面などに発生する「膨れ」の現象です。だいたい2・3年後とのことです。
旧塗膜が溶剤系のアクリルラッカー、とくに弾性アクリルだと危険性が高いらしく、新しい塗膜が厚く濃彩色だと蓄熱作用が促進されるらしいのです。
要は日射の熱が家の中に入りづらくなっているため、新しい塗膜の下で、硬化しないラッカーのトップが熱で膨らんでしまう、ということです。
20年ほど前は、ラッカー系のトップがよく使用されていました。
われわれ塗装屋は、この「蓄熱水蒸気膨れ」を知っていなければいけません。