下塗りの歴史
現在の外壁に使われているものといえばサイディングが主流ですね。
僕が塗装屋を始めたころは、新築住宅はモルタルとサイディングが半々ぐらいでしたか…
モルタルは黒い防水シートを張ってから網を張ります。
↑上のような下準備をしてから、モルタルを2〜3回塗りつけます。まあ左官仕上げではオーソドックスにして最強、そして高級ですよね。
左官屋さんが仕上げたモルタルの上に、吹き付けや塗装でさらに仕上げといきます。
現在は、無塗装サイディングを一つの壁みたいに繋ぎ合わせて「大壁工法」として、塗装をすればモルタル壁と見分けがつかない仕上げ工法もあります。
さて一昔前は、モルタル壁にはただのシーラーを塗ってから塗装。今みたいに多機能なエポキシシーラーなんて高級で、普通の一般住宅には使われていませんでした。少し経ってから強溶剤の万能型シーラーが出ましたね。エアレスという機械で吹き付けていました。懐かしい…。
サラサラっと吹き付けて上塗りを塗る…。
膨れる…捲れる…昔からそんな業者には注意!でした。
そう!ブログを書きながら思い出しました!
鉄骨造の建物の外壁はALC。
ザラザラの外壁の上には目止め(これが下塗りでフィラーといいます)をしてから吹き付けをしますが、この目止めをしっかり適正量塗らないと上塗りをかけた時に吸い込みムラができて綺麗に仕上がらないんですよね。
僕が塗装屋さんを始めたころ、このALCが流行っていて、たくさん吹き付けをしていました。
材料を運ぶのがしんどくて…
足場を登ったり降りたりで、大きい建物だと50缶ぐらい…両手に18㌔を持って…(泣)
そう、モルタル壁や無塗装サイディングにはシーラー。ALCにはフィラー。
そんな昔でした。
それから万能型の溶剤シーラー。これはモルタルやサイディング、どちらもOKでした。
その後「微弾性フィラー」が流行り、それを「サーフ」と言っていましたね。
サーフ、エクセル、サーフはSK化研、エクセルは日本ペイントの微弾性フィラーの名称です。
これらが下塗りとして長年流行りましたね〜、懐かしい。
あ、微弾性フィラーはサイディングには塗りません。
未だに微弾性フィラーをサイディングに塗る業者さんがいますので要注意ですね。
新築で家をバンバン建てていた時は、新築塗装が主流でした。バブル期から僕が25歳ぐらいまで。
そこからは塗り替えが主流になってきました。
そこで流行ったのが、色付きの弾性の仕上げ塗料。
万能シーラーを塗って、その塗料を2回塗り。
時には厚塗り仕様だったり。
そうか…塗り替えが主流になったこの頃から、たぶん塗装トラブルが増えてきたのかな…?カチオンシーラーやエポキシシーラーが出てきた気がします。
うん、たぶんそうです。
そうです…錆止めも鉛フリーになって、エポキシ樹脂系の錆止めが主流になりましたね。
錆止めも外壁の下塗り材も、最初は強溶剤のエポキシ、その後弱溶剤のエポキシ。
外壁下塗り材は、その後は水系エポキシです。創美の現在の主流は、この水系エポキシ樹脂です。
このダイナミックシーラーアクアは、塗ってすぐは白くて塗り残しが出ない、乾くと透明になります。上塗りに使う材料は水性のみです。
振り返ると下塗りもずいぶんと高性能になったし、使い分ける材料も多くなりました。
僕たちも時代に取り残されないように勉強しなくては(汗)。